緑に囲まれた当館の庭園には、たくさんの小さな命が息づいています。
池や堀にはカルガモが毎年やってきます。時には巣を作り、
卵を抱え、雛を育てます。しかし成鳥になるまで育ったのを
見たことは、残念ながら一度もありません。
そこで、弊社の会長が、雨や外敵から守ってやろうと考え、小屋を手作りしました。最初は入ろうとしなかったのですが、2週間ほど前から卵を抱いております。
カルガモ一家
両親(母鳥は小屋の中)と成鳥になっていない子供(他所で生まれた)
先日のこと。
その小屋へ青大将が入っているのを、板場のKさんが見つけ、棒でつついて追い出そうと奮闘。しかし青大将も手ごわく、庭のおじさんTさんに加勢を求めました。
見れば青大将は、卵をひとつ飲み込んでいます。棒で叩くも、吐き出しません。そこでTさん、鉄筋で青大将の頭をポカリ。
やっと卵を吐き出した青大将、今度はTさんに口を開けて向かってきました。その口に鉄筋で突きを入れると、ようやく退散したとのこと。
この格闘を、カルガモの親鳥はそばでじっと見ていたそうです。
Tさんは卵を巣に戻してやりましたが、親鳥はなお警戒して巣のある島の周りを回り続け、20分ほど経ってようやく巣に戻って再び卵を温め始めたそうです。
青大将には申し訳なかったけれど、一度飲まれた卵も無事に孵化してくれることを祈っています。
カルガモは8個の卵を産んでいます。
しかし、卵の時にも雛の時にも敵がいっぱい…。
でも「敵」の彼らも、どこか別の場所で子育てに懸命なのでしょう。
今年は何羽か無事に巣立つでしょうか。
またお伝えしていきたいと思います。